[著者:うえお久光/イラスト:STS/電撃文庫]★★
うえお久光 アスキー・メディアワークス 2008年07月
私がハードカバー版を読んだのは9ヶ月前だけど、II巻の初版刊行からは約2年経ってるんだよねぇ。物語を解く鍵はまだ然程揃っていないままで、ずっと音沙汰なしってのはやっぱり辛いもんがあって。だからこそ、物語が再び動くのを心待ちにしていた身としては、続編込みの再始動は実に嬉しい事なんだよなぁ。
と、悦に浸りながら再読。I巻とは対照的に現実世界寄りな展開で、“あちら”と“こちら”を混同させるか? それとも完全に線引きして分断させるか? とりわけ、そういう裕樹や鷹生の考え方への悩みや迷いが密に描かれていて強く印象に残る。境界線が酷く曖昧になる時を目の当たりにしている裕樹なんかは、危機感抱かずにはいられないんだろうなぁ(護りたい人が危険に晒される可能性があるならば余計にね)。
次はいよいよ完全新作の続編。そういや空の事もまだ詳細は語られてないんだった。その辺りも含めて、どんな風に物語が展開してゆくのか凄く楽しみ。