SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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サヴァイヴド ファイブ

[著者:葛西伸哉/イラスト:得能正太郎/GA文庫]★★

 参加者105人の殺し合い。たった5人の生存枠を賭けてのサバイバルゲーム。他所で散々使い切られているであろうストーリーパターンをあえて選択し、果たしてどんな“差異”を描いてみせてくれるか……この辺りが主な見所であり最も注目すべき点かな?

 一番目立つ差異は、最終的にきっかり5人が残らなければならない事。この要素はなかなか良いね〜。サバイバルゲーム展開を実に面白く引き立ててくれている。これは1人しか残れない条件よりも、チームワークや信頼関係が一層重く圧し掛かるもので、逆に疑心暗鬼や仲間割れや決裂が容易く起こり易い。そういう独自の旨味を巧く盛り込んでるなぁという印象。先が気になって仕方なくてぐいぐいと惹き込まれる。

 この先誰が殺され誰が生き残るのか? 人数が絞られ5人を確定しなければならない段階で、誰が何を考えどう動くのか? ゲームの裏に<セレス>のまだ見えぬ真意も隠れているだろうし。続きが待ち遠しい。