SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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戦場のエミリー 鉄球姫エミリー第四幕

[著者:八薙玉造/イラスト:瀬之本久史/スーパーダッシュ文庫]★★★

 容赦なく失意のどん底に叩き落とされ、心が引き千切れ荒れ果ててしまっても、エミリーとグレンの間に結ばれた強固な絆は決して切れる事がなく。誰の為に何をすべきかを真の意味で見極め、苦しみ抜いて己を取り戻してからの復活劇は凄く格好良かったねぇ。

 エミリーにしてもグレンにしても、不器用にもがき苦しむ様子が余りに痛々しくて見れられない有様だったんだけど、そういう時でさえも互いに大切な相手を護りたいと強く想う姿がとても印象的だった。今回はこれまで近くに居た二人が離れていたから、普段なかなか見せてくれない本心が際立って見えたのかも。

 絶望を乗り越えて、エミリーとグレンの関係がぐぐっと進展した所で、さて今後の戦況はどうなる? 対ヴェルンスト王国、対ヴィルヘルミーネを主軸に描いてあっさり済ませるのか。それとも更に混迷と絶望を極めるような隠し玉が用意されてたりするのかなぁ。

既刊感想:第一幕第二幕第三幕