SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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ヴぁんぷ!IV

[著者:成田良悟/イラスト:エナミカツミ/電撃文庫]★★

 前巻刊行から3年経っちゃいました。さすがに『組織』の“色つき幹部”達がこれだけ大量投入されてると、「誰が誰やらワケ分からん!」だったので巻末キャラクター辞典には大助かり(今回『組織』幹部が多数集結しての大騒動で混乱極まってたから余計に)。

 主題は吸血鬼と人間の共存について。恋情、愛情、友情、その他様々な感情を、相容れない二つの種族間で共有する事が出来るのか? その辺りに深く切り込んでゆく内容。主な対象はフェレットとミヒャエル、テオとエルザとルーディ。後者の関係は過去の悲惨さが浮き彫りになってしまって厳しい見方を強いられるんだけど、前者(特にミヒャエル)を眺めていると楽観気味で「心配無用じゃね?」と言えてしまう所が興味深い所。ここから更に続くようなので(今度はレリックとヒルダか?)次なる騒動を楽しみに待ちたい。

既刊感想:IIIII