SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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GENESISシリーズ 境界線上のホライゾンI<下>

[著者:川上稔/イラスト:さとやす(TENKY)/電撃文庫]★★

 長い長ーいプロローグを経て、ようやくスタートラインに辿り着いた506頁〜511頁の見開き挿絵で鳥肌総立ち。武蔵の総意が確定した時点でのこれの挿入は反則的に効果抜群だよなぁ。何せ一目瞭然で“足並み揃って一つになって、誰もが同じ目指すべき場所を向く事が出来た”状況を把握できるんだもの。

 やっている事は大きく分けてたったふたつ。武蔵の総意を確定させる為の戦いと、ホライゾンを武蔵に取り戻す為の戦い。一応主役張ってるトーリの脳みそが軽量変態仕様なもんで、彼がやろうとしてる事を理解するのは上記の通りで単純明快。ただ、脇を固める人達がね、行動思考が色々複雑なんだよね(だからこそお馬鹿なトーリを充分に支えられるんだろうけど)。

 全編余す事無く最高潮の見せ場ばかり。特に個人的な好みで拾うなら、正純対インノケンティウス、喜美対二代、トーリ対ホライゾンの対話に大興奮だった。

 目的が末世阻止方策探しとホライゾンの感情奪還に定まった所で、次も内容的にも容量的にも大期待。

既刊感想:I<上>