SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

アクマ・オージ

[著者:岡崎裕信/イラスト:成瀬裕司/スーパーダッシュ文庫]★

 “僕は悪魔だ”……この台詞に度々翻弄させられてしまった。逢司が自嘲と自戒を込めて連呼している悪魔とは? 逢司自身が人外の悪魔であるという意味なのか? それとも何らかの比喩表現として用いられているのか? ここがなかなかハッキリしないもんだからねぇ。少々振り回されてしまったような感じ。

 まあとにかく逢司って奴は普段から自虐的で後ろ向きで、その癖大切な人が絡むと自分を責めながら積極的に犠牲になりに行くという……難儀な性格だよな。

 しかしながら、終盤で逢司の過去と合わせて“僕は悪魔だ”の真意はきちっと語られていたのでホッと一息。と、同時に気になったのは“どうやって逢司はクラスメイト達から赦されたのか”って事。本来は誤解であっても、一度植え付けられた世間の悪評が生半可な事で払拭出来たとは思えないんだけど……この辺りを次でもうちょい詳しく見せて貰えたらなぁと。