SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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ナインの契約書 -Public Enemy Number91-

[著者:二階堂紘嗣/イラスト:山本ケイジ/MF文庫J]★★

 第4回MF文庫Jライトノベル新人賞『佳作』受賞作。

 九が「煩い! 黙れ! 喋るな! いっそ死んでしまえ!」と一を罵倒したくなる気持ちは凄く良く分かる。でも、この薀蓄垂れ野郎はきっと九の感情を分かっててやってんだろ? 案外こういうウザイ軽口が、色んな意味で救いを求める契約者達の心を解している……のかどうかは微妙な所だが。

 突き放しているようで実は手を差し延べている風に見えたり、魂という重い対価を求めていながら反故にされても案外気にも留めなかったり……総じて言うと「変な連中」。九や一達“悪魔”の望みは一体何なのだろう……それこそが知りたい。付き合って行けば何処かで知る事が出来るだろうか?