SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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魔王城一限目

[著者:田口仙年堂/イラスト:朝未/ファミ通文庫]★★

 これって『英雄』が神格化されている王国の中で、現在の『魔王』を目指そうとする一人の男の話……なのかも知れない。無論エイゴはそんなの全く意識しちゃいないだろうけど、魔人の子供達の先生役になって保護し続ける事で、後々かつて魔王と呼ばれた存在に近付いてしまうんじゃないかなぁと。

 魔人の子供達は紛れもなく人間種族だという括りが最も興味深い所。その辺りを一般人にどれだけ訴えても理解して貰えない現状に、エイゴが子供達と接しながらどう踏み込んで行くかが見物。あと、ワーズ准将の言葉から、かつての英雄にも魔王にも評判どおりの表面上からは見えない何らかの裏がありそうだよなぁ。その点もちょっと気になる所か。