SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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ミニッツ 〜一分間の絶対時間〜

[著者:乙野四方字/イラスト:ゆーげん/電撃文庫]★★

ミニッツ ~一分間の絶対時間~ (電撃文庫)

ミニッツ ~一分間の絶対時間~ (電撃文庫)

 第18回電撃小説大賞『選考委員奨励賞』受賞作。
 一分間だけ“他人の心の声を聴く事が出来る”特
殊能力を持つ主人公・相上櫻。彼はその能力を使い、
相手の望む形で外面を良く見せて好感度を上げ、で
も内面では他人を蔑み、全ては自分が生徒会長にな
る為に利用価値が如何程かを計算する対象としか見
ていない。一言で表すとすれば「いけ好かない」と
か「虫唾が走る」でしょうかねぇ。櫻の本性であり
裏の顔を知っていれば、夏凪の「何か生理的に受け
付けない」反応の方が正しいような気もします。
 ただ、櫻って計算高い割には結構迂闊だったり、
不用意に弱点を曝け出して墓穴を掘ったり、不測の
事態に直面した際の対応力が無かったり、案外ダメ
ダメな時も多くて。だから、内面見てると非常にム
カつくけれどどこか憎めない奴、なんですよね。櫻
がポイントを溜める事に固執し、生徒会長になる事
に拘る理由が明かされてからは、下がりまくりだっ
た好感度も少し持ち直したかなという感じでした。
 『ミニッツ』について詳しい事は語られず、アザ
ミについても絶対何かありそうで全く触れられなか
ったので、この辺の事は次のお話に期待ですね。