[著者:小山タケル/イラスト:マニャ子/富士見ファンタジア文庫]★★
- 作者: 小山タケル,マニャ子
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2012/11/20
- メディア: 文庫
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第24回前期ファンタジア大賞『銀賞』受賞作。 世界にたった七本しか存在しない、世界の根幹を 担う巨木『霊樹』。『霊樹師』の少女ニキは、霊樹 との意思疎通を図る事で、霊樹の異変を察知し安寧 を護り続ける役割を担う。そんな彼女がとある霊樹 の異変を気に掛けている時に出逢ったのが、樹を伐 る事を生業とする『バリアント』のアークでした。 樹を護るニキと、樹を伐り落とすアーク。全く正 反対の役割を持つ二人の関係を軸に物語は描かれて 行きます。霊樹信仰が非常に強い世界なので、表面 上はニキが正義でアークが諸悪のように映りますが、 そんな単純にはいかない複雑な事情が次々ニキに襲 い掛かり、生真面目で融通の利かない彼女の頭を悩 ませます。アークはそういう所に余計な茶々を入れ てからかったり、かと思えば面倒臭がりながらも真 剣に励まして迷いを断ち切ってあげたり、この二人 の関係性が凄く良い感じですね。特に失態見せて恥 ずかしがるニキの反応にニヤニヤさせられました。 次はまた別の霊樹の下に赴くのか、それとも国家 連合本部に戻るのが先か。霊樹信仰と人間信仰の教 会との対立も更に描かれるかも知れませんね。