SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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ダイス・マカブル 〜definitional random field〜 01.否運の少年

[著者:草木野鎖/イラスト:ふしみ彩香/MF文庫J]★★

 第9回MF文庫Jライトノベル新人賞『佳作』受賞作。
 この世の中にはある『確率』とは……現象が起こ
る度合い、ある事象が現れる割合のことをいう。偶
然性を含まないひとつに定まった数値であり、発生
の度合いを示す指標として使われる(Wikipedia調
べ)だそうな。このお話は高確率の事象に避けられ、
低確率の事象に遭遇しまくる“確率に裏切られる呪
い”を背負い続ける主人公・鬼灯灰斗の物語です。
 確率の言葉からイメージしてたのは、ゲームだと
かギャンブルだとかの領域だったのですが、内容は
全然違ってました。灰斗にかけられた呪いについて
の呪術的な事だとか、日常に転がっている“何かが
起こり得る確率”の要素を見せる感じでしたね。
 灰斗が背負わされた呪いに関しては、今回の件だ
けでは原因が殆ど分かりませんでした。意識して独
りを望むのは、確率の呪いで他人を巻き込むのを恐
れているから、らしいのは何となく伝わって来まし
たが。それ以上の詳しい事が分かるのは、きっと彼
自身の過去が色々明らかにされた時でしょうね。
 あとは蓮華の家族との付き合い方にも複雑な事情
がありそうな事だったり、暗躍してる彼についての
事だったり、その辺りもちょっと気になってます。