[著者:比嘉智康/イラスト:はっとりみつる/ファミ通文庫]★★★
キミは一人じゃないじゃん、と僕の中の一人が言った (ファミ通文庫)
- 作者: 比嘉智康,はっとりみつる
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/08/30
- メディア: 文庫
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ずっと多人数でわちゃわちゃやってるなあ、とい う印象で。正確には二人の多重人格者が計7人を演 じていたわけですが。本来、抱えていれば異常に見 えてしまうものが至極正常のようで、当たり前のよ うに穏やかで賑やかしい日常が流れてゆく。ずっと 途切れる事無く続いていけばいい、と望みながらも 頭の片隅では「そうはいかないのだろうな」と、目 に見え難い不安定さを感じたりもしていました。 最初の内は、多重人格が崩壊するのは市川櫻介で はないかと思っていましたが、重責を背負っていた のは彼女の方でしたね。終盤、“彼女”の柔らかな 口調での怒涛の告白は圧巻でした。「てきてよ」、 最後にこんな使い方されたら堪らないですよね。