SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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月とライカと吸血姫2

[著者:牧野圭祐/イラスト:かれい/ガガガ文庫]★★★

 その時が来たら、沢山の事を切り捨て犠牲にして
背負わなければならない“覚悟”というやつ。レフ
に課せられたそれを、随分と甘く見ていました。
 “人類史上初”と言う冠付きで有人宇宙飛行が成
功した場合のその先で、レフの身に何が待ち受けて
いるか? 勿論、想像は巡らせていましたが、頭で
描いていた想像を遥かに超えていました。特に一躍
時の人となってからのレフの心理状態です。群集の
興味と関心と賞賛の渦に飲み込まれながら、表向き
の振る舞いと深層心理とが徐々に徐々に乖離してゆ
く様子を見て、余りの恐怖に震えが走りました。
 最後のは正直よく収拾がついたなと。見越してい
たゲルギエフこそ、最も恐るべき存在なのかも。

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