[著者:松村涼哉/イラスト:たえ/メディアワークス文庫]★★★
「僕の“名前”をあげるから“僕”になって“生きて”みない?」
と、言われたら? とりあえず逃げる。逃げ道を阻まれたら……通報する? でも“死んだ方が楽になれる”状況まで追い詰められていたら、不審者が差し伸べた手は“救いの手”に見えていたのだろうか?無関係な赤の他人
手を差し伸べた『高木健介』と、高木健介と名乗って偽りを生き始めた『立井潤貴』。最初は全く接点が見えなかった為、失踪の謎を追う間もずっと「何故?」が付きまとっていました。全てが繋がる
何も繋がっていなかった筈なのに、潤貴が高木健介として真相を追いながら、あれもこれも次々と繋がって行く。見えない糸、閉ざされた現実が連鎖的に明るみに出て来る描写がとても素晴らしかったです。松村 涼哉 KADOKAWA 2019年11月22日