SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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天才少女Aと告白するノベルゲーム

[著者:三田千恵/イラスト:しぐれうい/ファミ通文庫]★★

その名前を○○とは読めない
 水谷と交流していた『A』っておそらくは……と、途中でピンと気付けるような仕組み。確かに水谷が最初に思い描いていた相手では、何となくしっくり来なかった。ただ、『A』にならないので種明かしまで「あれっ?」ってなってましたけどね。

居心地の悪い空気感
 即座にその場から逃げ出したくなるような描き方が凄く巧い。村の住人達にしても、母親との距離感にしても、一時ぎくしゃくしたゲーム制作部での関係にしても。悪い方への手のひら返しって、恐ろしいね。

嫌なら嫌ってもいい
 水谷の過去を思うと仕方ない所ではあるんですが、妥協して波風立てない態度にもやもやさせられました。特に母親との件に関しては、ちゃんと答えを出して吹っ切ってくれて良かったです。スッキリしました。