SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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竜と祭礼 ―魔法杖職人の見地から―

[著者:筑紫一明/イラスト:Enji/GA文庫]★★★

第11回GA文庫大賞『奨励賞』受賞作
 高名な魔法杖修理職人の弟子である主人公イクス。師匠の死を経て魔法杖修理から離れようとした矢先、異国の少女ユーイから魔法杖修理を依頼される事に。最初は乗り気でなかったイクスだったが、杖の素材の正体を知り、深く関わって行く事になる。

たったひとつの魔法杖の素材を追求する
 実際にイクスとユーイがやってるのは多分これだけ。解明されるまでどこまでも追い求める。言い方がちょっとあれな感じになりますが『地味』な印象。しかし、派手さはないが、徐々に物語が持つその奥深さがじんわりと染み込んで来るような良さが感じられました。

魔法戦闘も魔法杖修理も無い
 それっぽい雰囲気は持ち合わせていながら、そう言った面はシーン描写としてあまり用いられていない。あくまで手掛かりがほとんど無い所からの〝素材探し”。ここの描写に徹底している。凄く面白いですよね。のめり込んでしまいました。