[著者:川田戯曲/イラスト:アシマ/富士見ファンタジア文庫]★★
第32回ファンタジア大賞『金賞』受賞作
主人公の俺(くー)を事故に見せかけ殺そうとしたのは、3人の少女の内の誰か? 記憶喪失に陥った少年が、かつて近しかったであろう少女達と交流を重ね、記憶の断片を徐々に取り戻しながら、『嘘の中』にある『真実』へと近付いて行く。捻りが加えられるか、それとも直球か
物語を追って行く内に、途中から何となく「あ、この子が怪しいな」って臭いがするようになる。そこから「多分捻るだろう?」とか「いや、このまま行くのか?」とか、色々考えさせられるような展開が興味深く面白い。こんな状況で、後味悪くならないわけはないが……
主人公は記憶喪失を負わされたのに、最後まで『俺が悪い』と自責の念に駆られる。本当は全く悪くなくて、100%真犯人の悪意の責任なんだけど。ただ、『相手を赦す』事が出来たから、この結末に至れたような所はあったのかも知れない。嘘嘘嘘、でも愛してる(1)
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川田 戯曲/アシマ KADOKAWA 2020年04月17日