[著者:十文字青/イラスト:白井鋭利/オーバーラップ文庫]★★
自力では事を動かせなもどかしさ
『先の読めなさ』は多分シリーズ中で随一。かつての『パラノマニア』も大分ヤバかったですが、ハルヒロ達の置かれている状況が理解出来ている分だけ、今の方がさらにヤバい。分かっていてもどうにもならない絶望感。一旦希望を与えて上げておいてからの叩き落し。何を為す事がハルヒロ達にとって『正解』なのか見出せない。堪らないですね。絶望の中で、奴の『ウザさ』が心に響く
ただ、辛うじてギリギリの所で折れていない。どうにか踏み止まっている。こればかりは、かつての仲間との再会に感謝するしかない。ハルヒロの記憶が消されたせいで、劇的な再会とは行きませんでしたが、昔と変わらない不器用な『口汚さ』がどうしようもなく身に染みる。諦めるのはまだ早い。既刊感想:『灰と幻想のグリムガル』感想一覧
灰と幻想のグリムガル level.16
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十文字青/白井鋭利 オーバーラップ 2020年07月25日頃