SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

氷の令嬢の溶かし方1

[著者:高峰翔/イラスト:加川壱互/モンスター文庫]★★★

冷たい氷が寄り添ってみたい相手
 ガッチガチの氷を少しずつ溶かして行くような、そんな感覚。溶かしている側の朝陽も、どちらかと言えば冬華に近い側で、結構淡々としたタイプの性格なんですけど。何となく似た者同士で噛み合い、徐々に距離を縮める事で、互いの『心の防壁』を溶かし合っている。その過程で、他人には決して見せない、朝陽だけに対して浮かべてくれた冬華の『特別な表情』。これがホントに堪らないんですよね。

氷室冬華の『事情』
 冬華が性格的に『冷たい女』じゃないのは、ちょっと接すれば直ぐ分かる。本当は人付き合いが苦手で不器用なだけ。ただ、その『ちょっと』を頑なに踏み込ませない。複雑な事情があるのは匂わせているんですが……今後の展開で特に気になる所ですね。