[著者:カミツキレイニー/イラスト:LAM/ガガガ文庫]★★★
序章に過ぎなかったエピソード
『猟犬』の生い立ちや現状の存在は確認出来た。では『魔女』の存在と行方は? これがなかなか物語の表舞台に正体を現してくれなくて、しばらくは『姿なき脅威』みたいな雰囲気がありました。テレサリサが『本物の魔女』か、それとも謀略の犠牲となった『悲劇の王妃』か。魔女である予感は抱きつつも、どちらに転ぶかは本当に分かりませんでした。この辺りの興味の引き方も巧いですよね。
そして、終盤の畳み掛けるような怒涛の展開は圧巻の一言。正直この結末は、最初の頃からは想像も出来ませんでした。凄いですね……なんかもう色んな感情交じりで深い溜息が漏れてしまいました。
カミツキレイニー/LAM 小学館 2020年10月21日