[著者:神田夏生/イラスト:Aちき/電撃文庫]
偽る彼と言えない彼女
とても息苦しくて、生き苦しい。史吹は、自分の『素』を曝け出せずに、周囲に都合のいい性格を作って息を詰まらせてもがいている。一方で水悠は、本音を告げる言葉を封印されているせいで、最初から周囲とのまともな交流を諦め切っている。途中で思い通りにいかない場面が幾つもあって、その度にもどかしい気持ちになってしまう。史吹は偽っている自分自身。水悠は本音を伝えられない状態。それぞれの足枷が邪魔をしてしまうんですよね。
それでも、この二人が少しずつ歩み寄り、互いの事を理解し合う事によって、徐々に息苦しさから解放されて行く。何より相手の為に何かをしてあげたい、そう思う気持ちがとても印象に残りました。
絶対にデレてはいけないツンデレ(1)
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神田 夏生/Aちき KADOKAWA 2021年01月09日