[著者:ケンノジ/イラスト:やとみ/角川スニーカー文庫]
結論から言うと「いや、違わないだろ」。読んでいて、どう捉えるのが正解なのが正直物凄く戸惑った。栞が本心を伝えるのが超絶ヘタクソなのか、隆之介の方が気持ちを読み取れない鈍感野郎なのか。
まあ、隆之介の方を責めるのは酷だとは思うんですけどね。何度も「俺の事?」と聞いてみたいんだけど、幼なじみであるが故の近い距離感が、どうしても妨げになってしまう。この辺りの躊躇いと葛藤の様子は、実に巧く描かれているなと思いました。
要は栞がさっさと言えば良いんですよね。でも、何故か告げる事をしないから、面倒臭くこじれている。一番分からないのは、栞の気持ちなのかも。
ケンノジ/やとみ KADOKAWA 2021年03月31日