SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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家出中の妹ですが、バカな兄貴に保護されました。

[著者:佐々山プラス/イラスト:ろ樹/電撃文庫]

 ツンデレの『ツン』を最大限まで極めた感じの義妹ヒロイン樹理(小学生)。最初からしばらくはずーっと100%ツンなもんで、大学生の主人公兄貴・龍二の側に立ってみると、とにかく作業を邪魔ばかりしてきやがるクソガキ感が物凄いんですよ。

 樹理の事情を大体察しつつ、龍二は目を背けるような態度を取るので、それがまた樹理には気に食わなくて、互いに激しく衝突してしまうわけですね。で、二人の過去と家庭環境を知らない内は、ただただ樹理のやることなす事が迷惑極まりなく映って、「クソうぜえ」となってしまうんですよねえ。

 ただ、徐々に互いに心に歩み寄りを見せ、一旦は失われた信頼を結び直して行く。後半でのこの辺りの描き方は、とても良かったなあと思いました。そこからの反動でに樹理の『超絶デレ』は必見です。