SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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母親がエロラノベ大賞受賞して人生詰んだ2 せめて息子のラブコメに妹までまぜないでください

[著者:夏色青空/イラスト:米白粕/富士見ファンタジア文庫]

 種付けプレス……何度聞いても酷いペンネームだ……(これでも感心して誉めてます一応) まあそれはさておき。母・美礼に代わって『なりすまし作家役』を演じてる息子・春馬ですが、“身バレしちゃってさあ大変”な前巻ラストからどう繋げるか? と気になっていました。結果を言うと、学校側からはめちゃくちゃ好意的に受け入れられてました。

 正直、もっと批判寄りにもざわつくかなあと思っていたので、混乱も少なくこうも全面的に好感触で受け入れられたのが結構予想外でした。春馬としては、本来自分の作品で受賞したのではないので、心中複雑でしょうけどねえ。ともあれ変に大事にもならず、学校もノリのいい連中で良かったですね。

 今回は、春馬の妹・美悠羽と、新キャラのクソウザ女子中学生レーニャとのイラスト対決。そこに美礼や凜夏も加わって、春馬の余計な心労が更に増して行く。言葉で抵抗して見せた所で、返り討ちに合うかまともに聞きやしないので、仕方ないですね。

 この物語、最後にモノを言うのは、やっぱり『家族愛』なのかなって印象が残りました。今回のウザキャラ作って本音を隠すレーニャに対しても、家族愛を語って説得してみせている。美礼の母性愛や懐の深さ、本心は家族の絆を大事にしている春馬の説得力、この辺りの描き方はとても良いものでした。

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