SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

門番少女と雨宿りの日常

[著者:寿司サンダー/イラスト:姐川/富士見ファンタジア文庫]

 なんか碧木って、『両親と不仲な自分』『クラスに馴染めずぼっちな自分』でやさぐれた態度を取っている、そんな“自分に酔っている”なあって印象でした。個人的には、碧木の態度に何故か妙にイラっと来てたので、彼の言い回しみたいなものがやけに気に入らなかったんですよね。これは多分、もう個人の『好き嫌い』の所なんだと思います。

 そんな受け入れ難い部分も最初の頃はあったんですけど、碧木が『素』を見せて来るに連れて、大分見方も良い方へ変化してました。徐々に話の流れが雨森先輩の事情の方へ行って、それを碧木が支え救うような行動に出てくれたのが大きかったのかな。

 草野や鳩田の遠慮なき介入を喰らったり、雨森先輩に接し続けた事で、碧木が今のどうしようもない自分を『変えよう』と思い始めるようになる。彼が少しずつ変わって行く描写はとても良いものでした。