SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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使える魔法は一つしかないけれど、これでクール可愛いダークエルフとイチャイチャできるならどう考えても勝ち組だと思う

[著者:鎌池和馬/イラスト:真早/電撃文庫]

 どこから触れればいいか迷う『ごちゃ混ぜ』感って言うんでしょうかね。簡単にまとめると、主人公がタイトルみたいな『勝ち組』を目指すお話です。

 ダークエルフと結婚したい願望を持つ、ダークエルフが大好き過ぎて妄想しまくってる主人公クラオスが、実際にダークエルフと出逢って余計に妄想をはかどらせたり。ラッキースケベがアンラッキースケベに転じて、散々命の危機に晒されながらも、未知なるダークエルフへのあふれまくる探究心を力に、一人深淵の森で七転八倒を繰り広げたり。

 途中までは、お色気シーンありの滑稽なコメディを見て苦笑させられてる感じでした。が、徐々にスイッチが切り替わって、真剣モードに移行して行く。この経緯の変化の描き方が特に印象的でした。

 あとは、途中で判明するクラオスの魔法能力の『使い方』や、ダークエルフ語の『仕掛け』などは、練り込まれた巧さがあって見ていて楽しかったですよね。道中かなり色々な要素がぶち込まれていて、話の展開も混沌とした様子でしたが、きちっとまとめ上げて締める辺りにも巧さが際立っていました。