[著者:長月東葭/イラスト:東西/ガガガ文庫]
第15回小学館ライトノベル大賞『優秀賞』受賞作。
寝ている間も、“夢の中で現実世界と同等の活動が得られる”と言う夢のような世界。この辺りの設定面は、物語の中でそこまで深い掘り下げが無くて、もっと見せて欲しかったなあ、と惜しい気持ちもあったり。それだけ魅力的な世界観と感じました。
物語自体は、正直「うーん」な印象で微妙でした。話が進んで盛り上がってる雰囲気が大きくなるに連れて、あまりに複雑で難解に絡まり過ぎていて、「ちょっと何言ってるのか良く分かんない」ってなって、理解が付いて行けなくなってしまいました。
トウヤが巻き込まれた夢の事件と、彼の姉の後遺症と、姉に似た容姿のメイアの関係性と。なんか結局語りたかった事も分かったような分からんような、どうにも曖昧な手応えで。『睡眠時も夢の中で活動出来る』と言うあまりに魅力的過ぎる設定に、夢の中の犯罪を絡めた要素を、もっと分かり易い描写で見せて欲しかったなあと。