[著者:木緒なち/イラスト:えれっと/MF文庫J]
『クリエーターは、どれだけの仕事量をこなすべきなのか?』。シノアキの体調不良により、彼女の実家へ付き添いで行った恭也の先に、口を開いて待っていた非常に重くてとてつもなく大きな問題。
問われていたのは、『体調管理を常に最優先に考え、負担の少ない安定した仕事量をこなすべきなのか?』。それとも、『時には多少の無理な時間と労力を費やしてでも、自らの情熱のおもむくままに創作に最大限の意欲を注ぎ続けるべきなのか?』
要はクリエーター自身の『健康状態』と、手掛ける作品の『品質』を天秤にかけて、どちらを“より優先すべきか”に葛藤しながら答えを探すような展開。この辺りの要素は非常に読み応えありましたが、とにかく精神的な疲労感も半端なかったですね。
恭也は最終的な決断を下しました。彼にとって大きな転換点と言えるのかも知れませんね。茉平の考え方が恭也とは真逆で、それによって良好に見えていた二人の関係性がどう変わって行くか? 見物であり、触れるのがちょっと怖い所でもあります。
茉平に関しては、強烈な『悪意』を残したVer.βとはまた違った配役で。そちらではなかなか見られなかった、彼の素顔や過去などの『本質』にも少しずつ触れて行って欲しいあと強く思いました。
既刊感想:1、2、3、4、5、6、7、8、Ver.β1、2、3
ぼくたちのリメイク9 怪物のはじまり
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木緒 なち/えれっと KADOKAWA 2021年07月21日頃