[著者:ざっぽん/イラスト:やすも/角川スニーカー文庫]
『もうひとりの勇者』ヴァンの対処法について。枢機卿に植え付けられた『正義』を曲げない、曲げる事を知らない、曲げる術を持たない、異常性に満ちた存在。レッド達は、これを『交渉』と『説得』によって変化させようとするわけですが……。
これまでヴァンを見て来た限りでは、力でねじ伏せるしか止める方法は無いと思ってました。どれだけ間違った考えだと指摘しても、それがなぜ間違いなのか理解出来ないから。ヴァンを言葉で説得するのは限りなく不可能に近い、と感じていました。
鍵を握っていたのは、やはりレッドの『導き手』の加護でした。ヴァンと言葉を交わす内に、明らかに内面に変化が生じ、迷いや戸惑いを抱くようになってましたからね。さすがとしか言いようがない。
変わりゆく勇者ヴァンとの付き合いは、もう少し続きそう。レッドが彼の前に立って行動し、さらに言葉を交わす事で、何が変わって行くか。ヴァンは明確な答えに辿り着けるのか。見届けたいですね。