SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

余命10年

[著者:小坂流加/カバーイラスト:loundraw/文芸社文庫NEO]

 「本当の本当に余命10年なの?」


 頭の片隅でちらついてた疑問は、常にこれでした。

 茉莉の様子を追っている中で、余命宣告からの数年は『ちょっと病弱な人』程度にしか症状が見られなかったためです。

 そのせいか、「もしかしたら……」って言う『希望』も抱いてしまったんですよねえ。


 中盤までは、意外に穏やかにゆるやかに、茉莉の『やりたい事』と『恋愛』を軸に生命の経過が流れて行く。

 一方で、終盤へと向かうに連れて、一気に状況の変化が加速して行きます。


 結末に関しては、『感じ方』は当然ながら読んだ人次第だと思います。


 奇跡が起こったか?

 それとも生を全うしたか?


 是非、手に取って読んでみて確かめて欲しいです。