SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

安達としまむら

[著者:入間人間/イラスト:のん/電撃文庫]

 心の中で、もじもじもにょもにょもやもやもそもそ身悶えている安達が可愛すぎでした。表面上は割と素っ気ない態度を取っているのに、しまむらの事ばかり考えてしまう内面は波風立ちまくっている、と言うのが良いんですよ。

 しまむらの事が何となく気になって、ちょっとずつ目が離せなくなり、気が付いたら好きで好きでたまらなくてどうしようもなくなっていた。こう緩やかに自然な流れで変化して行くような、安達の気持ちを描いている辺りが凄く良かったです。

 しまむらへの思いが大きく膨れ上がる一方で、決して告げる事など出来ない状況に身悶えしている。なのに、しまむらには(今の所は)脈無しなのがとても辛くて切ない。しまむらも安達の様子には何となく違和感を抱いているようですが、まだ「まさかね……」程度の“あり得ないもの”と認識している。

 安達はとっても分かりやすい。対してしまむらは分かりにくい、もしくは悟らせないように意識している。そんな様子の二人の関係は、今後どう変化して行くのでしょう。今のままでは安達の気持ちは受け入れてもらえなさそうだけど、いずれ“その時”が来たならば、悲しく辛い顔は見たくないので報われて欲しいなあ、と。