SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

厄災の申し子と聖女の迷宮1

[著者:ひるのあかり/イラスト:桜瀬琥姫/ドラゴンノベルス]

 主人公・シュンが異世界住民、双子ヒロイン・ユアとユナが異世界転生者。一般的に普及している異世界転移・転生モノとは逆のパターン、みたいになるのかな? シュンが転生者側の事情に触れる事で、彼自身がレベルやHPやMPのような『数値の意味』を理解して、徐々に適応しながら強さを得て行く、と言った展開。

 なぜ転生者達が転生させられたかについては、よく分かっていない。神の少年の言動から察するに、ただ単に原住民と転生者達を使って“遊んでいる”風にしか見えませんでした。シュンに神の少年が見えている事は例外中の例外なので、そもそも他の人には神が仕組んでいる事にすら気付けないわけですが。

 神の思惑通りに上手い事立ち回れば力や富や名声が手に入り、神の機嫌を損ねるような拙い立ち回りだと破滅へ一直線。踊らされているけどどうにもならない……何となくそんな理不尽な空気も感じられました。

 シュンの目的は、今の所“ダンジョン探索そのもの”です。定められた期限を生き抜いてダンジョン生活の任期を終える、それだけの為の行動。特に何か求めているわけでもなければ、強さを欲しているわけでもない。

 でも、結果的にはユアユナと共にどんどん強くなっている。これからどう展開してゆくかは詳しく見通せませんが、しばらくはダンジョン探索を続ける事による“新たな発見”が楽しみとなりそうな感じです。