[著者:秋/イラスト:しずまよしのり/電撃文庫]
サーシャとミーシャの前世と転生に関わるお話。そこにアノスの失われた記憶の残りと過去が絡んでゆく展開。最初の方で発覚するんで言っちゃいますけど、サーシャ=破壊神アベルニユーでした。まだ見ていない6つ目の創星エリアルの夢には、創造神ミリティアによって封じられた“アベルニユーに関わるアノスの過去の記憶”が眠っていたわけです。
問題だったのは、何故ミリティアがその事を封印したのか? 過去の事実を追っている限りでは、むしろアノスにとってもサーシャにとっても“記憶に残っていた方がいい出来事”に見えていた。それなのに、ミリティアがあえてアノスの記憶に残さなかった所に、一体どんな理由が潜んでいるのか?
今回は、主にその辺りを明らかにしてゆくような内容でした。この真相に辿り着いた事によって、アノスが失っていた2000年前の記憶もほぼ戻ったと見ていいんでしょうか。もうアノスの過去の記憶で探るべき不明点もほとんどないように感じますが、どうでしょうね。
ともあれ、今回の件が解決した所で即座に次の展開へと続く。向かう先の『神界』とはどのような領域なのか? それから、ずっとアノスの内に聞こえている『声』の主の正体は? 息つく暇もなく飽きさせない展開で面白い。続きが非常に気になります。