[著者:農民ヤズー/イラスト:桑島黎音/HJ文庫]
異世界ダンジョンと繋がってしまった地球の日本にて。三十歳過ぎの低ランク冒険者おっさんが、上級ランク駆け出し冒険者な女子高生達の教員となって面倒を見るお話。
ちなみに、主人公の伊上は“能ある鷹は爪を隠す系ぶっきらぼうおじさん”でした。ただし“表向きは”です。まあ本心を理解されないような態度をあえて取っているので、瑞樹達からは理不尽に厳しいひねくれものに見られても仕方ないのかなと。
なんでここまで教え子たちと距離を置くのかな? と思う場面も多いんですが、その理由は徐々に分かって来ます。そうすると、伊上の瑞樹達に対する『本心』もようやく見え始めて来る。なんて言うか、どうしようもなく不器用なおっさんって事でしょうかね。
伊上の教えは、厳しさの中にも分かりにくいながら大きな気遣いが込められている。それは冒険者としての心構えをしっかり持って成長して欲しいから。つまりあらゆる意味で「強くなって欲しい」、と期待しているわけですね。伊上がそう言った“優しさ”をもらした時に、ついついニヤリとさせられたりもしました。