SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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超難関ダンジョンで10万年修行した結果、世界最強に ~最弱無能の下剋上~

[著者:力水/イラスト:瑠奈璃亜/モンスター文庫]

 タイトル通りの時を過ごした結果、見た目は15歳の少年、中身は悟りを開いた仙人みたいになっちゃいました。つまり『最初と最後で同じ人間が別人過ぎた』です。主人公・カイが得た無能スキルと、ダンジョンの試練への挑戦権の資格との間ににどんな関係があったのか、正直詳しい所まではハッキリ把握し切れませんでした。推測ですが、何もない無能だからこそ、無限に取り入れられる素質があったとか、なのでしょうか。

 まあそれよりも何よりも、時が止まっていたとは言え、10万年修行を継続出来たこと自体が異常なんですけどね。駆け足に過ぎまくっていたからか、随分あっさりこなしているように感じたものですが、改めて冷静に考えると常人には決して不可能な事。あんまり強さへの執着も感じられなかったので、元々の切っ掛けは『生き延びたい一心』からだったのかも知れません。

 現在地に戻ってからは、清々しいまでの無双状態続きでした。カイ自身が「無能だし全然強くないし」とか、思いっきり無自覚にズレた思考を流し続けながら、敵対者を圧倒していたのが爽快で面白かったですね。次は幼馴染みのレーナとキースとの再会シーンがあるでしょうか。色々と変わり過ぎた今のカイを見て、果たしてどんな感情を抱くのか。