[著者:艇駆いいじ/イラスト:倉澤もこ/BKブックス]
「いや、チートって言ってもあの“最弱”のスライムでしょう?」と、最初はスライム増殖系チートもの(って分類でいいのか?)に対して思ってました。が、読んでる途中で間違いに気付きました。「これはスライムの事をナメていたな」と。
実際スライム1匹自体は最弱に違いないんですが、スキルレベルアップによる『物量増加』の効力がえげつないくらい凄まじかった。『どうやったら最弱のスライムを強く出来るか?』の部分に色々工夫が盛り込まれていて、主人公のアルクスと共に使役スライム達が強くなって行く過程が、とても興味深く描かれていて面白かったです。
物語のジャンルとしては、とても分かり易い『無能スキル持ち主人公がパーティから強制追放される』系です。ちなみにアルクスを追い出したクズは、最初から最期まで正真正銘の救いようのないクズ野郎でした。こんな風にハッキリしたクズだと、何の罪悪感も抱く事も気が引ける事もなくスッキリ出来て良いですね。
とりあえず今回だけでも、アルクスとスライムスキルの強さ的にはもう結構極めたような感じもするんですが、この先どんな風にどれだけ進化して行くでしょうね。