SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

絶対魔剣の双戦舞曲1 ~暗殺貴族が奴隷令嬢を育成したら、魔術殺しの究極魔剣士に育ってしまったんだが~

[著者:榊一郎/イラスト:朝日川日和/HJ文庫]

 『魔術が使えない』特性を代々受け継ぐ、かつて異世界を渡り帝国の魔王から皇国を救った『勇者』の末裔である主人公・ジン。暗殺者の顔を持つジンは、とある任務の遂行中に奴隷として売られそうになっていた貴族令嬢のリネットを救う。

 リネットは、ジンが探し求めている行方不明の姉の手掛かりを持っていて、利用する為に確保したはずが、何故か彼女に特殊な魔術の戦い方を教える先生になってしまう……と言った流れのお話。

 誰でも魔術が使える中でのハンデを背負った戦い方、昔から皇国を敵視する帝国の因縁と暗躍、ジンとリネットの師弟のような交流、自分を『無能』『役立たず』と責めるリネットが成長する姿、ジンが探す失踪した姉の行方の謎……などなど。とにかく細かな見所が満載で、見ていて目映りしそうなほど色々な要素が盛り込まれていた印象でした。

 まだ謎や隠された秘密は多いので、次巻以降で更に大きく複雑に動いて行く事になるかと思います。個人的には、ジンの姉の事と、その手掛かりを何故リネットが握っていたのかが特に気になる所でした。