SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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さよなら、転生物語

[著者:二宮敦人/TOブックス]

 もしも、自分が望む最高の環境に転生する事が出来たら? 何度でも元の世界に戻れて何度でも転生出来て、何度でも繰り返し自分の好きな環境で転生生活を体験出来たら? その転生先が気に入れば、現実世界を捨てて転生世界に永住する事かできるとすれば?

 現実社会に生きる事に絶望している人には、たとえ信じられなくても思わず食い付きたくなる夢のようなお話。一見うさん臭くても裏はありません。本当に願った人たちの『転生願望』を叶えてくれていました。

 でも、自分が望んだ世界なのに、そこに元の世界を捨ててまで永住したいかと選択を迫られると、強烈なためらいや葛藤に襲われてしまう。今回の中で転生を望んだ誰もがそうなっている。この物語の特に面白い所で、かなり深く考えさせられる状況に置かれると言うのも非常に印象的でした。