SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと

[著者:依空まつり/イラスト:藤実なんな/カドカワBOOKS]

 超絶コミュ症な『沈黙の魔女』こと主人公のモニカ。『無詠唱魔術』の使い手としての能力が一切発揮される事の無い環境に放り込まれ、超絶に苦手としている対人コミュニケーション能力の必要性に迫られる事に。

 「そもそもなんでモニカってこんな性格になったの?」みたいな疑問や興味は尽きませんでしたが、現状ではどうやら訳ありの後天的要因であるらしい、と言う所までしか見えませんでしたね。

 あまりにおどおどした態度が過ぎるので、どこかでブチギレて『私は七賢人の沈黙の魔女なのです!』ってうっかり暴露でもしてくれねえかなあ……と、もどかしく感じたりもしてました。

 なので、『数学』と『魔術』に関する事でモニカの理性が吹っ飛んで本能剥き出しに向き合ってた時は、見下してた連中が唖然とした顔を見せてくれてなかなか痛快でした。

 もっとも、第二王子のフェリクスだけは訳知り顔だったので、得体の知れない所は気になりましたが。どうも沈黙の魔女に並々ならぬ羨望を抱いているようで、同一人物だと気付いていないモニカとの複雑な関係がどうなって行くのか興味津々です。