[著者:水棲虫/イラスト:maruma(まるま)/富士見ファンタジア文庫]
BOOK☆WALKER「さっさと花火大会に誘えやこのヘタレが!」と、前半の牧村に何度言いたくなった事か。でも、牧村自身にヘタレの自覚も超絶消極的な自覚もあって、「もしも美園にその気がなくて、こっちの思い込みの勘違いで断られたら……」みたいな、思い切って踏み込めない気持ちも分かるんだよなあ……ってもどかしさ満載な気持ちで読んでました。
牧村の場合、より正確には『自分が美園に振られて傷つくのが嫌だ』ではなくて、『自分の気持ちに応えられなかった場合、美園が気まずい思いをするのは嫌だ』なんですよね。どんな状況になったとしても、牧村は自分がどうなろうと関係なく常に美園の気持ちを考えている。
だから、表面上だけの様子でタレだ消極的だと断じて言い切れない。多くのサークル仲間にも認められる程いい奴だからね。なので終盤の展開は、思わず飛び上がる程に嬉しかったです。文化祭本番へ向けて二人の仲がますます加速して行きますように。
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