SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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デモンズ・クレスト1 現実∽浸食

[著者:川原礫/イラスト:堀口悠紀子/電撃文庫]

 冒頭のクラス名簿を見た時、真っ先に「え、これ全員(41人)把握しなきゃいかんの?」と思って挫折しかけて、結局覚えるの諦めて挫折しました。要するに物語での『描き分け』を気にしていて、「どれが誰やら分からん」となると困るなあとか頭に浮かんだわけですね。

 もっとも、クラスの中で『特に際立たせる存在』と『そうでもない存在』とで役割分担が大体決まっていて、その辺りの描き分けはさすがの巧さと感じました。少なくとも読んでいる内は、登場人物を把握するのに混乱はなかったのでホッとしました。

 あと、意外と登場人物達の年齢設定が低い(小学6年生)事も気になってましたが、あとがきで触れられていたのを見てなるほど、と。小学生以上に感じた精神力と行動力に対してはちょっと思う所もありましたが、極限状態での覚醒と考えれば受け入れられるかな。

 肝心の物語の内容については、ざっくり言うと『フルダイブ型MMORPGの世界が現実世界に浸食した』ような状況。今の所は分からん事だらけですが、先を知りたい興味と欲求の牽引力は非常に強いです。