SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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さよならの言い方なんて知らない。2

[著者:河野裕/イラスト:越島はぐ/新潮文庫nex]

 何やら抽象的で意味深な言葉が出て来たけれども、当然ながら謎に包まれサッパリ分からん、な現状。あえてぼかして情報を小出しにしているように見えていて、それが興味を引く要素になっているのは確かだなあと感じました。

 とは言え、知らされないもどかしさが募るのも正直な所ですが、それも今はしょうがないと飲み込むべき事なのかも。『架見崎』での終わりなきループの8月を背景に、大きな勢力同士が複雑に絡んだ陣取り合戦は激化の一途を辿る。

 ただ、見た目の出来事が本質ではないのは分かり切っている事で、じゃあその裏に潜む“何か”をどう認識して行くのか? 香屋の『能力』で、ちょっとずつ運営の情報を引き出せてはいるものの、謎や秘密は多くて手探り状態な印象はまだしばらく続きそうな感じです。

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