SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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勇者症候群

[著者:彩月レイ/イラスト: りいちゅ/電撃文庫]

 最終的には、『勇者化現象』を与えている『女神』とは一体何なのか? の謎や疑問点に立ち戻る。これまでは勇者を殲滅する事が精一杯で、そこまで考えを巡らせる余地がなかった、あるいは最初から「勇者化や女神の存在意義など解いても意味がない」と思っていた所に、カグヤが『変化の新風』を送り込んだと言った感じだったでしょうかね。

 殲滅から解除へ、勇者の心に訴えかけて『元に戻す』所に新たな可能性が湧き上げって来るような、極限状態の中で非常に熱い展開だったなあと思いました。

 しかし、一旦は沈静化したものの不安要素は多く残された印象で。特に、カグヤやアズマの中に『残されたままのモノ』が今後どんな影響を及ぼすのか、と考えるとかなり心配ですよね。カローンのメンバー達にもその素養はあるようだし、『勇者を元に戻す』方向での進め方で、今後何が起こるか分からない状況なのは大いに気になる所です。