[著者:太陽ひかる/イラスト:雪丸ぬん/HJ文庫]
下町の自転車店の息子と世界レベルの大企業の社長令嬢の、天と地ほどの身分違いの恋愛模様。たとえ本人達が相思相愛でも、身分違いと言う理不尽な現実が関係を断ち切ろうと立ちはだかってしまう。
主に令嬢である純奈側の世間の影響力の問題から、庶民である勇輝を受け入れられないと言う事実が、二人の恋愛の試練となっている。
この手の展開って、主人公の努力と気合と根性と勢いで割と何とかなりそうなイメージだったんですが、この物語に関しては乗り越えなければならない壁が異様に高くて、勇輝の主張だけではどうにもならない絶望感を植え付けられたりもしました。
ただ、純奈の両親が「身分違いで付き合っても将来的に不幸になる」と断言するのも、結構な説得力を持たせた言い分だったりしたんですよね。
なので、半ば諦めかけていた終盤でしたが……諦めの悪い男がもがきまくって望みを掴んだ姿ってのは、とても格好良いものでした。