SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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決して色褪せることのない夏の日々にボクは諦めきれない恋をした

[著者:ののあ/イラスト:ぷらこ/HJ文庫]

 読む前に抱いていたイメージは、迷いと葛藤と悲壮感と背徳感とで心の中がドロドロと煮詰まっている……みたいな主人公とヒロインの関係性でした。死別した兄の結婚前提で付き合っていた恋人の事が好き過ぎて、距離が近過ぎるが故に略奪してしまいそうな雰囲気がむんむん立ち上っていたので。

 ただ、まあその辺は妄想が先走り過ぎてたかなあ、と言った具合で。物語の雰囲気は想像してたよりも、もっとずっと明るかったです。

 元々の3人の関係が極めて良好だったのも影響していただろうし、セツシが海華を思う気持ちを亡くなった陽が後押ししてくれていたようにも感じられていたからでしょうかね。

 もしかしたら、生きている側にとって都合いい解釈になるのかも知れませんが、「でも、それでいいじゃないか」と思えるような結末でした。