[著者:綾辻行人/KADOKAWA]
『災厄がレベルアップした』、と。まあ適切な表現かは分からないですが、想たち三年三組が“これまで経験した事のない状況”に追い込まれるのを目の当たりにして、そんな風に感じたりしました。
途中「え、これで終わり?」な雰囲気になったんですがもちろんそんなわけもなく、「じゃあ一体これは何なんだ?」と読み手を追い込みつつ先を知りたい欲求を刺激しまくる展開は前作同様で、やはり一気に引き込まれてしまう面白さでした。
途中のヒントっぽい問い掛けの放出で、何となくの気付きを得られてはいましたが、『それは誰か?』の真相に至るまでは物語の想と同様に翻弄されっ放しでした。
しかし災厄の『現象』に関しては、現状これまで通りに『そう言うものだ』と受け入れるしかないのが歯がゆい所で。構想があるらしい続編『Another 2009』にて、その辺りも災厄をを断ち切る意味で完全完璧な解決を期待したいですが、さて(次の主役は、おそらく本作で鳴に似た特殊能力を発動させていた“あの子”でしょう)。