SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~

[著者:三上延/イラスト:越島はぐ/メディアワークス文庫]

 文香は母親の愛情に複雑な気持ちを抱きながらも、割とあっさり栞子さんに本を手渡してた。母・智恵子も思ってたよりあっさり栞子さんの前に姿を現してた。

 智恵子との確執を抱えてるらしい栞子さんの側からだと大事っぽいのに、智恵子の動向や思考があまりに掴み所なさ過ぎて、衝撃を受ける間もなく事が運んでしまったと言うか。

 まあ嫌悪を抱いているのは一方的に栞子さんの方で、智恵子の放任主義を悪びれもせず栞子さんを嫌っているというわけでもなく、その辺の雰囲気が詳しく知れた事は収穫だったのかな。

 事あるごとに本に関わる所で栞子さんを試すような言動が相次いで、こりゃ本好きな彼女からしたら嫌がられもするな、と思いつつ最後の誘いに母親の情いたいなものが感じられた気もしたり(気のせいかも知れないけど)。

 何にしても、智恵子の印象は総じて『よく分からない人』『理解するのが難しい人』だったかな。栞子さんに対する感情的な所は、実際に詳しくは何も掴ませてくれなかったので、いずれ再会の時が来ればまたハッキリするのかも。