SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

非オタの彼女が俺の持ってるエロゲに興味津々なんだが……11

[著者:滝沢慧/イラスト:睦茸/富士見ファンタジア文庫]

 シリーズ最終巻。一真が萌香の記憶を取り戻す為に奮闘するのがメインとなっているわけですが、なにせ二人にとってエロゲが切っても切れない縁なもんで、「どうやって未知の萌香に受け入れさせるんだ?」ってやきもきした気持ちで読んでました。

 でもまあ結局の所、萌香の奥底の記憶の断片みたいなものが、割とあっさり受け入れてくれたみたいでホッとしましたけどね。あと意外だったのが、萌香の記憶喪失期間がかなり長期的だったなあと。

 『もう一度やりなおし』みたいな新鮮な気分で、一真と萌香の絆の深さを再確認で味わえたのは怪我の功名だったのかも知れません。最後はエロゲのお約束的展開っぽく、王道のハッピーエンドで満足感も充分な結末でした。

既刊感想:10
     萌香の初体験ルート

猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1

[著者:河野裕/カバーイラスト:とろっち/KADOKAWA]

 『一度見聞きした事を絶対に忘れない異能力』を持つ浅井ケイ。『世界を最大で三日分戻す“リセット”の異能力』を持つ春埼美空。異能力が多く住む街『咲良田』で起こる事件や謎を、二人の異能力を駆使しつつ解き明かしてゆく物語。

 一見、この二人が組めば何にでも対応出来そうな万能の力のようで、実は様々な制約や扱いの難しさが絡んでいて、そう簡単には問題解決には至らない所が面白い。

 次々と想定外の自体に直面しながら、使い所の難しいリセット能力をコントロールしながら、“納得の行く結末”に到達するまでの道筋に多くの見所がありました。

 気になる点として、ケイが死なせてしまった女性の事や、咲良田街と限定的な異能力の関係など、今後どのように物語に絡んで行くのでしょうか。

陽キャになった俺の青春至上主義

[著者:持崎湯葉/イラスト: にゅむ/GA文庫]

 「陽キャだとか陰キャだとか、友達相手にそんな線引きする必要なくない?」って、友達に言われてみてえなあ! とか強い願望を抱かされてしまうお話。主人公の橋汰自身も含めてなんか陰キャに優しい奴らばっかで、妙に心が泣きそうになってしまったじゃないですか。

 一部優しくないクソ陽キャとかいましたけど、そういうクソな奴らと真剣に向き合ってくれる。しかも、全部背負うんじゃなくて、最後には陰キャ自身を後押しするように選択を委ねている所がまたいい展開なんですよねえ。

 橋汰が勇気を振り絞って出した、『陽キャ』『陰キャ』の“キャラ付け”の結論もなかなか良い感じだったなあと思いました。ただ、あまり橋汰の恋愛話には発展せず。まあこの面子で盛り上がったら、それはそれで非常に面倒臭くなりそうですけど。

新婚貴族、純愛で最強です

[著者:あずみ朔也/イラスト:へいろー/GA文庫]

 主人公・アルフォンスとヒロイン・フレーチカが『いちゃつけばいちゃつく』ほどに強くなるお話なので、素直に二人のいちゃいちゃぶりを堪能するのが良いかと思いました。

 それでもいちゃつきを邪魔する“障害”っぽいのもあるにはあったんですけど、結局ラブラブパワーの前では敵わない所が痛快と言うか面白い所でしたねえ。

 あとはアルフォンスの双子姉の強烈なインパクト、王室の結構面倒臭い相関関係や『ドラゴンブラッド』の血脈など、特に印象に残るものだったかなと。

 個人的にはフレーチカの父、第二王子のフレデリックの「娘は絶対にやらん!」的な、子供の駄々こね染みたアルフォンスへの本気の突っ掛かりが、なかなか見応えあって面白かったですね。

ヴァンパイアハンターに優しいギャル

[著者:倉田和算/イラスト:林けゐ/GA文庫]

 クラス内カースト最上位にいそうな『主役やヒロインをいじめる側の陽キャラギャル』が、もしも容姿も性格もめちゃくちゃに“いい子”だったら……的な。

 メイクバチバチにキメた容姿やギャル会話全開な言葉や話し方からは、全く偏見や誤解の目で見られていない所が、瑠花の本当に心底性格の良い本質を表しているように思いました。

 見た目で判断するのは「ちょっと待った」と思わずストップがかかるような、瑠花との友達付き合いで内面を知れば知るほど、そのギャップの魅力に惹かれてしまうような陽キャラギャルでした。

 瑠花のそんな性格の良さに関しては、特殊な立場ゆえに他人との付き合いに極力距離を置こうとする、銀華の態度が徐々にほぐれて行く様子からも明らかですよね。