SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

俺は知らないうちに学校一の美少女を口説いていたらしい1 ~バイト先の相談相手に俺の想い人の話をすると彼女はなぜか照れ始める~

[著者:午前の緑茶/イラスト:葛坊煽/HJ文庫]

 「いや、結局気付かないんかーい!」と、湊にツッコミ入れときます。でも湊って、他人に全然興味がなくて関心も持たないタイプなので、学校での玲奈とバイトでの玲奈が『同一人物』だと気付かない事にも、何となく説得力が感じられたんですよね。「ああ、こいつなら気付かないのも分かるわ」みたいな具合で。

 玲奈の方は湊が同一人物だと気付いたので(それでも気付くのかなり遅い)、一方的に悩みを相談される=本音を湊本人から告白される、となるわけです。その結果「ニヤニヤが止まらねえ!」となります。こう特殊なシチュエーションでの『見せ方』って言うんでしょうかね、そう言う描き方のが実に巧いなと思いました。最初は好感度が微量な所から、徐々に膨れ上がってく過程を見せられるのがたまらないんですよねえ。

 この先の注目点としては、玲奈は何故バイト先で変装じみた事をやって素性を隠しているのか? 湊はどのタイミングで玲奈が同一人物だと気付くのか? 湊と玲奈の付き合いが学校で“周囲バレ”してしまうのかどうか? などでしょうか。どれも気になる所で、どう見せ場を作って行くのか楽しみですね。


魔王使いの最強支配1

[著者:空埜一樹/イラスト:コユコム/HJ文庫]

 『無能だからと勇者から追放されたが、実は超有能だったと手放してから初めて気付いた勇者一行ざまぁ』系。主人公のルインは、固有スキル能力が“開花”していなかった”ので、実はそう言った意味での『無能』には違いなくて。

 ただ、それを補う基礎的な能力と、能力を独自に伸ばす努力と、周囲を見回して的確な行動を取る判断力など、総合的に優れていたわけですね。何故かクズ勇者ってこういう大事な部分を見落とすんですよね~。あ、見逃すほど性格が歪んでるからクズなのか。

 まあそれはさておき、元々が超有能な所へ超有能な固有スキルが開花したもんだから、もう当然のごとくな無双状態でした。もっとも、ルインの性格的に力を振るう際に鼻に付くなんて事は無くて。『人間と魔族の共存』と『両種族の交友関係の復活』を目的に、信念を抱いて歩み始めている。今のこの時代では実現が厳しいからこそ、余計にルインと魔王サシャの困難な望みを応援したくなります。


異端な吸血鬼王の独裁帝王学 ~再転生したらヴァンパイアハンターの嫁ができました~

[著者:藤谷ある/イラスト:夕薙/HJ文庫]

 主人公で吸血鬼王のアンファングが、休眠状態になって『異世界である地球の日本』の少年へと転生し、休眠が解けたタイミングで『元の世界』へ再転生を果たす、と言う流れからのスタートです。

 ちなみに元の時代から五千年後の現在、アンファングの時代遅れ感が半端ないほどに世界は様変わりしている。印象としては、人間種族が窮地に立たされている中での吸血種の無法状態で、世界的にはひどく荒廃しているような雰囲気でした。

 注目すべきは帰還を果たしたアンファングが、『吸血鬼王として何を為すべきか?』でしょうかね。必然的に出会ったヴァンパイアハンターの少女・リーナとは、どうも5千年前の世界での彼女の母親絡みで大きな関係があるようで。その辺の事情は、まだぼんやりとした手応えで今の所はハッキリしていない。

 ただ、リーナの抱える『特殊性』が、アンファングにとって重要な意味を持つ事は間違いない所。そんなリーナとの関係性や前世で得た『医療知識』なども含めて、この先の展開にどう絡めて行くのでしょうね。


召喚士が陰キャで何が悪い1

[著者:かみや/イラスト:comeo/HJ文庫]

 一体過去にどんな仕打ちを受けたら、こんな「パリピ陽キャ絶対悪!」思考な陰キャクソ野郎が出来上がるんだろう。……あ、主人公の透自身が『陰キャクソ野郎』だと自覚してるんで、そこを指摘するのは全く問題ないかと思います。

 現実世界で陰キャ、ゲーム世界のような『異世界』でも陰キャ、陽キャの心底からの好意や善意にも全力で絶対拒絶拒否な姿勢……潔く開き直り過ぎてなんか切なくて虚しくなって来る。まあいわゆる人間不信の一種なんではないかな、と感てたわけなんですけど。実は透は心の底で、否定している自分を誰かに認めてもらいたがっている。本気で頼られたり心配されたりする感情を向けられると、居心地悪く“むずむず”させているのは、その確かな証ですよね。

 この物語は、陰キャの透が自身の本音を認め、周囲の好意を受け入れ少しずつ変わって行く様子が一番の見所、と個人的には思いました。万が一にも、透の被害妄想が本当になって陽キャどもがだまして陥れていたら、もう感情がどうなってたか分かりませんでしたけどね。怜奈も悠真もめちゃくちゃいい人じゃないですか。

 信頼を実感した新たな交流から、さらに透の内面が良い方へ変わって行く所が見たいですね。あと、沁子(アッシマー)のメインヒロイン感が凄かったです。「え、この子なの?」って感じで。対して怜奈と透との関係も、今後の見所のひとつになるでしょうね。


追放されるたびにスキルを手に入れた俺が、100の異世界で2周目無双1

[著者:日之浦拓/イラスト:GreeN/HJ文庫]

 神は何故、エドにこのような試練を与えているのでしょう? 根本的な疑問です。きっとエド自身、答えの出ない問い掛けを、数え切れないほど繰り返して来たに違いない。100の異世界を巡って『100回追放された』今でも、未だに答えはもらえてないっぽい。そうなると、もう神の意思なんて考えるだけ無駄って所に収まってしまうわけで。

 案外「もうどうでもいいや」って開き直りが、異世界巡回を継続して来れた要因なのかも知れませんね。おそらくエドの中に「元の世界に帰りたい」という気持ちが失われない限り、“追放されるのが目的”な『異世界巡回』は続いて浮くのでしょう。

 大真面目に物語に向き合って言うなら、完結まで100巻必要って事になるんでしょうか? ちょっと真剣に考えてしまいました。ネタが尽きない限りは……ってとこでしょうか。エドにとって、次は確実に“一周目とは違う状況”で挑む事になるわけですが、まずどんな世界で以前どのように関わったのかが気になる所です。