SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

良いお年を

今年面白かったのは年始にでも並べてみようかと。それじゃあまた来年。

テスタメントシュピーゲル1

[著者:冲方丁/イラスト:島田フミカネ/角川スニーカー文庫]★★★ 『オイレン』と『スプライト』を合流させての最終シリーズ。今回はMPBサイドがメインなので、『オイレン』の続きっぽい流れだったかなと。 しかしこれは……凄いなホント。まだ新章開幕し…

ピーチガーデン 1.キスキス・ローテーション

[著者:青田八葉/イラスト:連/角川スニーカー文庫]★★★ 第14回スニーカー大賞『優秀賞』受賞作。 状況が状況なだけに、さすがにこの“本命を選び切れない”隆の詰めの甘さばかりは、「優柔不断!」だの「ヘタレ!」だのとは罵れないよな。確かに願ったのは…

シュガーダーク 埋められた闇と少女

[著者:新井円侍/イラスト:mebae/角川スニーカー文庫]★★ 第14回スニーカー大賞『大賞』受賞作。 メリアが照れ照れもじもじしながらムオルに心を開いてゆく様子はめちゃくちゃ可愛かったんだけど、それ以上にムオルがメリアに触れて心変わりしてゆ…

こもれびノート

[著者:しやけ遊魚/イラスト:葛西心/HJ文庫]★ 第3回ノベルジャパン大賞『奨励賞』受賞作。 ヒロイン毒舌攻め&主人公総受けの本筋脱線しまくりな会話がなければ、この三分の二か半分程度で済んでたかも。……とか言ってしまうと、この物語の旨味を全否…

すべての愛がゆるされる島

[著者:杉井光/メディアワークス文庫]★★ 構成面での仕掛けの巧さに脱帽。但し、これは一度読了して更に再読してみてからの感想。明確なヒントは割と控えめなので、大まかな違和感は察知できるだろうけど、細部に伏せられている本当にちょっとした仕掛けに…

[映]アムリタ

[著者:野崎まど/メディアワークス文庫]★★ 第16回電撃小説大賞『メディアワークス文庫賞』受賞作。 絶頂を体験させた直後に一気に叩き落す、そんな最原最早に対してゾクゾクが止まらなかった。単純に彼女への恐怖という意味でもあれば、彼女の魅力に惹…

探偵・花咲太郎は閃かない

[著者:入間人間/メディアワークス文庫]★ こういう、すっ呆けながら逃げ道を用意しておいて力を抜きつつ適当を貫き尽くす、ようなタイプの人間ほど裏側に隠してる本質を探りたくなってしまうな。もしかしたら、裏も何も無く本当に致命的に閃きの欠けた単…

シアター!

[著者:有川浩/メディアワークス文庫]★★ まあ、ベタ甘な恋愛模様を繰り広げてる場合じゃないか。劇団員皆の尻に火がついている状況だったもんなぁ。なんか巧達を窮地に追い込んで煽りまくってた司も、結局尻に火がついて一緒に踊ってたような感じだったし…

陰陽ノ京 月風譚 黒方の鬼

[著者:渡瀬草一郎/メディアワークス文庫]★★ 本編で事件の中心として描かれていた実頼と藤乃の関係だけど、最後のその真相までは見抜けなかった。実頼の態度からも、藤乃の桔梗についての証言からも、“秘匿された父娘関係”っていうのが紛れもない事実とし…

陰陽ノ京 巻の五

[著者:渡瀬草一郎/イラスト:洒乃渉/電撃文庫]★★ 保胤が度々巻き込まれている“妖怪退治”とは少々毛色の違う展開だった……かも? 結果的に力を振るって“滅する”ではなく、居合わせた皆が納得した形で“送る”という結末だったからなのかな。 保胤はこういう…

太陽のあくび

[著者:有間カオル/メディアワークス文庫]★★ 第16回電撃小説大賞『メディアワークス文庫賞』受賞作。 局地的には当たり前の如く常識でまかり通っている事が、全国区では全く認識されていない。地元では何の疑問の余地を挟む事無く至極当然と思っていた…

カスタム・チャイルド ―罪と罰―

[著者:壁井ユカコ/メディアワークス文庫]★★ 遺伝子工学分野が発展し続けて、その多大なる成果として世界にもたらされた恩恵がこういうものだったのならば……本当に心の底から幸せになれる人なんて居るんだろうか? ……なんて、果てしなくネガティブ思考に…

龍盤七朝 ケルベロス 壱

[著者:古橋秀之/メディアワークス文庫]★★ 最初に述べられていた、“三首四眼五臂六脚”の“一匹”の化物の意味が最後で紐解かれた時、なんかこうぞわぞわっと、高揚感に満ち溢れた鳥肌が総立ちしてしまったよ。廉把の絶望と放棄と逃避が元々からあったせいか…

オトメな文具。初・修復

[著者:淺沼広太/イラスト:なつきしゅり/ファミ通文庫]★ おい誰かこの腐れ妄想主人公をHENTAI校長共々病院に連れて行ってやれよ。……と、創治の余りの節操の無さに、半ば「既に手遅れか……」てな具合で呆れ果てつつ眺めてたんだけどさー。もしかし…

命じて!服従フロイライン

[著者:庄司卓/イラスト:ひなたもも/ファミ通文庫]★★ 外見からは、ツンデレヒロインのラブコメ要素が主軸だろうか? というイメージを抱いてたんだけど、それよりもっと重めの内容だったのが意外だったかなぁと(健児と梅花を中心としたラブコメ展開も…

カンピオーネ!III はじまりの物語

[著者:丈月城/イラスト:シコルスキー/スーパーダッシュ文庫]★★ 1巻目より前のお話。護堂が如何にして軍神ウルスラグナを殺し、魔王(カンピオーネ)の称号を得たのか? というシリーズ開始当初からずっと不明瞭で疑問だった箇所の穴埋め的なエピソー…

パーフェクト・ブラッド6 偽りの世界と虚飾の神

[著者:赤井紅介/イラスト:椋本夏夜/スーパーダッシュ文庫]★★ 今回戦った“偽りの世界”が消滅する瞬間と同質の事が、それとは比較にならない圧倒的規模で世界全土を襲う=多田(の傍に寄り添うアーカーシャ)から幾度も提示された世界滅亡の瞬間……っての…

がく×ぶる2

[著者:本田透/イラスト:相音うしお/スーパーダッシュ文庫]★★ 前巻は“がくぶる”体質。対して今回は“どきばく”体質。果たして三千緒にとってどっちがより重症なのか? と考えてみると、ななみ(妹)への耐性が消失したりロリコンに目覚めかけたり……な危…

聖剣の刀鍛冶5

[著者:三浦勇雄/イラスト:屡那/MF文庫J]★★ セシリー、ルーク、アリア、リサにとって、それぞれに平穏で当たり前な束の間の日常。そして、そんな日常に別れを告げるかの如く、更なる覚悟を固める必要に迫られる展開。これまでは、“聖剣を完成させる”…

緋弾のアリアIII 蜂蜜色の罠

[著者:赤松中学/イラスト:こぶいち/MF文庫J]★★ 恋した“つもり”を演じていた筈が、心を盗まれ本気で恋に落ちてしまった、というわけか。キンジとアリアからすれば、今回の理子はかなり鬱陶しい存在だっただろうな。キンジをおちょくりまくり、アリア…

黒姫のユズハ2

[著者:田口一/イラスト:をん/MF文庫J]★ レンのこの計画性皆無な突発的かつ迂闊な行為の数々を経て、よく平穏無事に丸く納まったもんだなぁ……と半ば呆れつつも感心する事頻り(勿論良くない意味で)。しかしながら、実際読んでいてもあんまりレンの…

オウガにズームUP!2

[著者:穂史賀雅也/イラスト:シコルスキー/MF文庫J]★★ 最後に出て来た『1年B組ポーカー』って何気に画期的な発想じゃないか? それ以上に、割とあっさり流されてたけど、1B男子を念入りに調査してカードゲーム構築した発案者の四方堂って意外に…

ギャルゴ!!!!!5 地伝英雄逃亡大全

[著者:比嘉智康/イラスト:河原恵/MF文庫J]★★ キモい、強い、恐い、と三拍子揃った噂長のおぞましさ最高潮。何がヤバいかと言うと、とにかく捕まったら命の保障が一切無くなるってとこが何よりもヤバい。噂長は特に春男に好意的な相手の命を狙ってる…