SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

冤罪犯

[著者:翔田寛/KADOKAWA]冤罪犯 船橋署刑事課・香山亮介シリーズ (角川文庫)作者:翔田 寛KADOKAWAAmazon 現在捜査している女児誘拐殺人事件は、まるでそっくり再現されたかのような7年前の『模倣』なのか? その7年前の事件が掘り起こされたと共に浮か…

W県警の悲劇

[著者:葉真中顕/徳間書店]W県警の悲劇 (徳間文庫)作者:葉真中顕徳間書店Amazon 事件の中に仕掛けられている『意外な展開、意外な結末』がテーマの短編集。タイトル通り、どれも『W県警』内での出来事で、各エピソード間に様々な人間関係が意外な所で絡…

いけない

[著者:道尾秀介/文藝春秋]いけない (文春文庫)作者:道尾 秀介文藝春秋Amazon 各章に事件や謎が描かれ、各章の最後に提示されている『一枚の絵や画像』が、それまで描かれた謎を解く重大な鍵となっている、みたいな構成のお話。それぞれの章が関連し合い…

シャイロックの子供たち

[著者:池井戸潤/文藝春秋]シャイロックの子供たち作者:池井戸 潤文藝春秋Amazon メガバンク内での訳あり銀行員達が繰り広げる、ドロドロに歪み腐り切った人間関係と薄汚い出世欲に塗れた物語。 『もしも本当にあったら怖すぎる話』『知らなかった方が良…

コクーン

[著者:葉真中顕/光文社]コクーン (光文社文庫)作者:葉真中 顕光文社Amazon 『バタフライエフェクト』が主なテーマ。一羽の蝶の『ひと羽ばたき』が、巡り巡って地球の裏側で大きな影響を与えるようなもので。 そこをなぞる様に、とある人の言動が全く別の…

人は見かけによらないというけれど・・・

[著者:道塚瞬]人は見かけによらないというけれど・・・作者:道塚 瞬Amazon 中編程度の長さの推理モノ。複雑な深味は薄いものの、手軽に気軽にミステリ要素を味わえるような仕上がり。 医大生が何故か殺人事件の捜査にあっさり関与出来ている辺りで、そもそも…

震える天秤

[著者:染井為人/KADOKAWA]震える天秤 (角川文庫)作者:染井 為人KADOKAWAAmazon 主人公の俊藤律、フリージャーナリストの立場にしては、本来彼とは無関係の事件にあまりに深入りし過ぎではないか。これなら『担当刑事が事件に違和感を覚えて捜査に踏み込…

総理にされた男

[著者:中山七里/NHK出版]総理にされた男作者:中山 七里NHK出版Amazon 日本の内閣総理大臣の立場から追った、日本の政治政策の話。正確には、総理と『そっくりさん』な男が事情によって無理矢理身代わり総理にさせられ、演技を続けながら政治政策をこなし…

絶叫

[著者:葉真中顕/光文社]絶叫 (光文社文庫)作者:葉真中 顕光文社Amazon 最初から最後まで、『被害者・鈴木陽子の物語』だったような気がします。刑事である奥貫綾乃が鈴木陽子の不審死の謎を追う展開を持ちながらも、やはり過去からの生涯をこと細かく描…

ハンチバック

[著者:市川沙央/文藝春秋]ハンチバック (文春e-book)作者:市川 沙央文藝春秋Amazon 自分で読んでみて、どうにも物語に込められた著者の意図を理解出来た気がしなかったので、『ハンチバック 解説』とか検索かけて頼る事にしました。 その結果、「読む人…

体育館の殺人

[著者:青崎有吾/東京創元社]体育館の殺人 〈裏染天馬〉シリーズ (創元推理文庫)作者:青崎 有吾東京創元社Amazon この例えが適切かどうか、言って伝わるかどうかは分からないんですが……読んでいて思い浮かんだのは『金田一少年の事件簿』的なやつで。 ク…

くじら島のナミ

[著者:浜口倫太郎/ディスカヴァー・トゥエンティワン]ディスカヴァー文庫 くじら島のナミ作者:浜口倫太郎ディスカヴァー・トゥエンティワンAmazon どこか児童文学的な表現描写のように感じられたお話。とは言え、大人が読んでも存分に堪能出来る仕上がり…

Blue

[著者:葉真中顕/光文社]Blue(ブルー) (光文社文庫)作者:葉真中 顕光文社Amazon 『平成の時代』を色濃く反映させた物語。特に音楽の歌詞や政治情勢などはリアルに盛り込まれていて、世代によってはこの世界観にドハマりしそうな雰囲気だったなあって印…

ロスト・ケア

[著者:葉真中顕/光文社]ロスト・ケア (光文社文庫)作者:葉真中 顕光文社Amazon 高齢化社会、在宅介護、介護業界の闇、高齢者の貧富格差、などなど。フィクションと注釈を入れられたとしても、どうしても現実社会のリアルと重なる部分で「これはノンフィ…